2020年8月12日 (水)
歯がしみる、痛い、黒くなっている、物が詰まる…など気になったことありませんか?
でも、「痛みがないから…」とそのままにしてはいませんか?
もし、むし歯になっていても、ずいぶん進むまでは痛みなどの症状がないことも多いので、気づかないうちにどんどん進行していることがあります。
歯科医院に通うとなると、時間やお金もかかるし、治療に怖いイメージがあると思われている方は多いかもしれません。しかし、むし歯を放置するとお口だけでなくほかの部位にも危険なことが起こることがあります。
では、①むし歯の進行について、②むし歯を放置することで起こる病気についてみていきます。
①むし歯の進行について
エナメル質:歯の表面。痛覚はない。(痛みを感じる部分) 象牙質:エナメル質と歯髄(歯の神経)の間に位置する。冷温などの刺激を神経に伝える。 歯髄(歯の神経):痛みを感じる組織。 |
C0(要観察歯)
歯の表面は溶けているが、黒くなっていたり、穴が開いている状態ではありません。自覚症状はなく、フッ素入りの歯磨き粉、キシリトール、歯磨きによって治すことができます。(再石灰化)。
C1(エナメル質う蝕)
う蝕=虫歯 |
歯の表面のエナメル質が溶け、小さな穴が空いている状態です。自覚症状はないことが多いですが、もの詰まりを感じることがあるかもしれないです。
治療:むし歯の部分を最小限に削り、白い樹脂の材料で埋めます。
C2(象牙質う蝕)
エナメル質を貫通し、その下の象牙質までむし歯が達した状態です。甘いもの、冷たいものなどにしみるといった症状が出ることがあります。
治療:むし歯の範囲が小さければ、削って白い樹脂の材料で埋めます。(図2)
範囲が大きければ、型を採り、詰め物もしくは被せ物になります。
図2.むし歯を削って、白い樹脂の材料で埋めている様子
C3(神経まで達したう蝕)
むし歯の菌が歯の神経まで侵食し、激痛(何もしていなくてもズキズキ痛む、夜間痛むなど)を伴うことがあります。また、神経が壊死して、膿がたまり歯茎や顔が大きく腫れることもあります。
治療:麻酔をして根っこの治療(根管治療)が必要です。根管内の細菌を除去し綺麗な状態にしてから、神経に代わるお薬を入れ、最終的に被せ物または、詰め物を行います。(図3)
図3.根管治療から被せ物をかぶせるまでの流れ
C4(根っこだけの状態)
歯の頭の部分が溶けてほとんどがなくなり、根っこだけになっている状態です。ここまでくると、神経は死んでしまい、痛みはほとんどありません。
治療:治療可能な程度の歯が残っていれば、根っこの治療をし、被せ物を行いますが、多くの場合、治療が難しいため抜歯となります。
このようにむし歯を放置しておくと、歯がなくなってしまい、最終的には抜歯に至ります。その後はインプラント、ブリッジ、入れ歯などの治療が必要です。
2.むし歯の治療を放置することで起こる病気
むし歯を放置すると、お口の中だけでなく、周りの組織、全身にも影響を及ぼし意外な病気を引き起こします。
①歯原性菌血症
菌血症:傷口から細菌が血液の中に侵入した状態 |
歯の神経の中には血管があり、むし歯菌が神経にまで及ぶと、細菌が血管の中を巡り全身に広がっていきます。
慢性的にこの菌血症が続くと、血管の内膜に菌がたまり、どんどん内膜が厚くなっていき、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞など重篤な状態を引き起こすことがわかっています。
②顎骨炎
骨は皮膚や粘膜、筋肉などで覆われているので、普通は炎症を起こしにくいのですが、顎の骨に関しては、歯が直接骨に埋まっているため歯からの感染が骨に広がりやすいため、珍しくありません。
そのため、むし歯菌が歯の神経を侵食し、その炎症が根っこの先から顎の骨まで広がることで、激しい痛み、腫れ、発熱、倦怠感などの症状が現れます。
治療は、原因菌をなくすため、抗菌薬を投与しますが、重症化している場合、点滴での抗菌薬投与が必要となります。急性の症状が治まった後、原因の歯の根っこの治療を行います。
③副鼻腔炎
上の歯の根っこは、副鼻腔とよばれるお鼻の空洞と近いところに位置しています。そのため、上の歯でむし歯が悪化した場合、炎症が副鼻腔にまで広がり、膿がたまり、副鼻腔炎(蓄膿症)になります。風邪をひいていないのに、片方のお鼻がつまる、鼻水が出るといった症状がみられます。
以上のような病気にまでいたると、歯科医院のみで対応できない可能性が大きくなります。
むし歯を放置することの怖さをわかっていただけたでしょうか。大切な歯を失ってしまう前に定期検診に行ってみてください。一度、むし歯になるとその歯が自然に治ることはありません。しかし、しみる、痛い、物がつまるなどの症状があっても、必ずしもむし歯ではないこともあり、知覚過敏や欠けているという場合もあります。
些細なことであってもお口の中に、気になることがありましたら、放っておかず、ぜひ当医院にご相談ください。
三重県四日市市にいみ歯科 歯科医師 新美敦司
カテゴリー: ブログ
2020年8月3日 (月)
7月22日に当院スタッフ1名が新型コロナウィルスに感染している事がわかりました。
感染経緯、行動歴、院内対応など
詳細につきましては、既にHPにて発表しております。
本日はこの後の経過についてご報告させていただきます。
【感染スタッフの経過】
PCR検査陽性判定後、即日県内医療機関に入院。
初めに発熱を自覚してから2日で解熱。
肺炎などの併発なし。
常に体調は安定。
医師、保健所の判断にて
7月30日退院許可。
7月31日職場復帰許可。
【濃厚接触者の6名のスタッフ】
感染者と昼食を共にした6名が濃厚接触者と判定されたが即日のPCR検査で全員陰性。
自宅待機をして、体調の経過観察。
感染を疑う体調不良等の発生なし。
またそのご家族にも感染を疑う体調不良等なし。
8月3日より職場復帰許可。
【その他のスタッフ】
濃厚接触者に該当しないスタッフ全員が即日PCR検査を受け、陰性と確認された。
その後、スタッフ全員、またそのご家族にも感染を疑う体調不良等なし。
【患者様】
四日市保健所の調査にて、当院の感染予防策が徹底されているとして、患者様全員が濃厚接触者には該当しないと判断さ
れていた。
その後も体調不良等の報告はない。
以上の状況を総合し、
今回の当院スタッフ1名の新型コロナウィルス感染が、院内感染、クラスターを起こす事なく収束したと確認しました。
【院長より皆様へ】
今回のスタッフの新型コロナウィルス感染につきまして、皆様に大変ご心配をおかけしました事をまずはお詫び申し上げます。
しかしながら、該当スタッフが順調に回復しましたことは何より嬉しく、ここにご報告させていただきます。
さらに患者様は濃厚接触者に該当しなかった、そして実際感染が起こらなかった事は、医院として患者様への有るべき義務を果たせたと愁眉を開いた思いです。
院内でもスタッフの誰も感染することなく経過観察期間を終えた事で、スタッフ全員の感染予防における実力を見せてもらったようで、誇らしくさえ感じております。みんなありがとう。
今更ですが、これまでも、院内の感染予防策、スタッフの感染予防の意識向上につきましては、万全を期して参ったつもりでおります。
しかしながら今回の新型コロナウィルス感染流行という、100年に1度ともいわれる大変厳しい世界情勢におきましては、これなら大丈夫だ、絶対だなどと
軽々に考えてはいけないと再認識いたしました。
該当スタッフは、常日頃から感染予防にはしっかりとした知識と行動力を持っていました。しかし、久しぶりにご家族が宿泊にいらして、ご兄弟から感染してしまいましが、この事の何を責められるのでしょうか。皆様も理解して下さっているものと思います。
感染発覚から今日に至るまでには、大変不安な日々を過ごしておりました。
しかし、多くの患者様から温かいお言葉をいただいた事が何よりの励みになりました。
にいみ歯科医院が完全な予防対策をしているのを、長年みてきたから良く知っている。
誠実なスタッフのみなさんが、心を傷めることのないように願っている。
またこれからも通院します。
などなど、いただいたメール等の文面はスタッフ全員で共有し、心のビタミンとなっております。
誠にありがとうございました。
日々、コロナウィルス感染者の増加が報告されております。
今回の事が収束いたしましても、また、どの様な場所でも感染者が出る可能性は充分あります。
しかし常に最高レベルの感染予防策を準備している歯科医院は安全であると皆様にご理解いただけますよう、また、いただいた信頼にお応えできますよう、お一人お一人の患者様と誠実に向き合いながら、更に邁進してまいります。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
医療法人 にいみ歯科医院
院長 新美敦司
四日市の歯医者・にいみ歯科医院では、『歯科を通じて皆様のお口の健康をサポートする』という理念のもと日々診療を行っております。そして、四日市の当歯医者にいらっしゃる患者様が、歯医者の診療に対して「怖い」「不安」という気持ちをできるだけ抱かず、安心して診療を受けていただけるよう、スタッフ一同おもてなしの気持ちで診療をさせていただきます。
設備面でも、患者様にリラックスしていただけるよう、ゆったりとした待合室や診療室を設けております。さらに四日市にある当歯医者では、診療方針を患者様にもきちんと納得していただいてから患者様お一人おひとりに合わせた診療を行っていきたいと考えています。
ですので、四日市にお住まいの患者様が診療についてわからないこと・疑問に思うことを、お気軽にスタッフに聞くことができる雰囲気づくりということも大切にしています。四日市の歯医者・にいみ歯科医院にご来院された患者様が、いつまでも楽しく食事ができ、笑顔で健やかな人生を過ごしていただけることを願っています。