2022年12月9日 (金)
歯を失ってしまう原因の一つに歯周病が挙げられます。失った歯を補う治療方法にインプラント治療がありますが、歯周病に罹患している場合はリスクがあります。
歯周病は歯垢の中に潜んでいる歯周病菌が、歯肉の炎症を起こし、進行すると歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。日本人の成人の約8割が歯周病に罹患しており、世界で最も罹患率が高い病気といわれています。
歯周病の初期症状は腫れや出血をしますが、自覚されない方が多く、ある程度進行してから膿が出たり、歯が動揺したりとある程度進行してから自覚する方が多い病気です。重度になるを歯を抜かなければなりません。
インプラントはむし歯にはなりませんが、歯垢が溜まってしまうとインプラントの周囲に炎症を起こす「インプラント周囲粘膜炎」になる可能性があります。
歯周病と同じ菌が原因で、歯磨きやメンテナンスを怠ってしまうと発症するリスクが高くなります。さらに進行して骨まで達すると、「インプラント周囲炎」と呼ばれるインプラントの歯周病を引き起こします。
天然の歯は歯根膜と呼ばれる靭帯があります。歯根膜は歯に無理な力がかからないようにクッションの役割があり、歯周病菌が体内に侵入しないように、歯と歯肉をしっかり付着する役割を担っています。
一方インプラントは、骨とインプラントが結合しているため、歯根膜がありません。そのため、天然の歯と比べると歯周病菌が侵入しやすく進行が早いです。
歯周病に罹患しているのにもかかわらず、治療をせずにインプラントを受けると、インプラントの成功率が低くなるほか、手術が成功しても5年生存率は、著しく低下することがわかっています。
歯周病に罹患しているケースはインプラント治療ができないわけではなく、事前に歯周病治療をし、術後も継続して治療を行うことでリスクを軽減することができます。
歯周病は日本人約8割が罹患している病気です。そのためインプラント治療前に歯周病治療をする可能性が高くなります。
インプラント歯周炎のリスクを軽減するためには、インプラント治療を受ける前に、必ず歯周病検査が必要です。そのため歯周病治療に精通した歯科医院で受診する必要があります。
またセルフケアを怠らないように、術後は歯科医師、歯科衛生士のもとで歯ブラシの指導を受け、予防することも非常に大切です。
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