にいみ歯科ブログ

オーラルフレイルってご存知ですか?

2020年10月27日 (火)

「オーラルフレイル」とは、口のまわりのささいな衰えにより、食べこぼしや、むせなどが現れることを言います。これは、誰にでも起きうる問題です。

 

オーラルフレイルには進行に段階があります。オーラルフレイルの前段階をプレフレイルと言います。この段階で、適切な処置やトレーニングができれば、健康な状態に戻ることができます。また、オーラルフレイルになった方でも処置やトレーニングにより、かなり回復を見込むことができます。

健康のためには、栄養と運動と睡眠が不可欠と言われていますが、高齢者の場合は、特に健康なお口で何でも食べられることが、重要です。そのため、健康なお口は健康長寿の決め手と言えるかもしれません。

むせやすくなるのは、老化による自然な衰えの一つですが、口のまわりのささいな変化も年のせいと放っておくと、心と身体の不自然な衰えを生じさせてしまうこともあります。そのため、早期にオーラルフレイルの兆候に気づくことが大切です。

 

オーラルフレイルの兆候

・食べ物をよくこぼす
・度々むせたり、激しく咳き込んだりする
・噛めない食べ物が増える(固いもの、弾力のあるもの、うすいものなど)
・食欲がわかない(食事の量が減る)
・滑舌が悪くなる などがあります

 

むせやすい場合は、ものを噛む力(咀嚼力)が低下している可能性があります。食物を十分に噛み砕けずに大きな塊のまま飲み込むようになると、のどに詰まって窒素事故を起こす原因にもなります。

むせが頻繁に起こるような場合は、誤嚥性肺炎窒息にも十分な注意が必要です。

特に、一人暮らしの高齢者の場合は、オーラルフレイルの兆候に気づかず、進行してしまうケースが多いため、注意が必要です。

 

オーラルフレイルを発症すると、摂食嚥下の機能が衰え、それに伴って、食事内容も噛みやすい、食べやすいもの中心となり、栄養バランスが崩れてしまうことも少なくありません。

年を重ねても、オーラルフレイルを発症せず、何でもおいしく食べられる方の場合は、老化による自然な衰えで、多少の噛みにくさ、飲み込むにくさを感じるかもしれませんが、好きなものを食べたいという意欲のある方が多いようです。

オーラルフレイルになっていないかを簡単に調べられるホームページもあります。

 


 

オーラルフレイルの予防法

 

1.よく噛んで食べましょう

舌は、
食物を口腔内に溜める→食物を咀嚼して、飲み込みやすい形状にまとめる(食塊形成)→食塊を咽頭へ送り込む
という摂食嚥下の過程を複雑に動きながらサポートしています。
噛めば噛むほどに舌の運動量は増え、筋力がきたえられます。

反対に咀嚼回数が少ないと舌の運動量が減る→舌の筋力低下につながります。

 

2.人とよく会話しましょう

舌は、滑舌の良し悪しにも深く関わっています。
例えばタ行、ナ行、ラ行などは舌の前方を上の前歯の裏側あたりに軽くつけて発音することではっきりした音になります。
意識してはっきり大きく口をうごかして人と会話したり歌を歌ったり、本を音読したりすることで、舌の運動量が増え、筋力がきたえられます。
意識的に声を出したり、口を大きく強く動かして表情を作ったりして、食事以外でも舌や口唇を動かす事を心がけましょう。

 

お口の潤滑剤「唾液」も重要!

唾液が出にくくなる要因

・咀嚼回数が少ない(早食べの傾向)
・薬の副作用(多くの薬に唾液を減少させる作用があります。)
・ストレス

 

何の理由で唾液が減少している場合でも、唾液腺マッサージは有効です。唾液の分泌をうながすことにつながります。

 

唾液腺マッサージの方法

耳下腺:人差し指から小指までを頬の外側に当て、4指で上の奥歯の周りをぐるぐる押して刺激する。10回ほど繰り返す。

顎下腺:顎の角から前に向かって、5ヶ所ほど骨の内側を親指で押し上げるように押していく。5セットほど行う。

舌下腺:顎の真下を、両手の親指で突き上げるように、ゆっくり刺激する。5回ほど行う。

 


 

自分の歯が残っている人、残ってない人で健康状態は、どう違う?

 

自分の歯が残っていない人の特徴

・転びやすい
・認知症になりやすい
・要介護状態になりやすい

その他(心血管系疾患、脳卒中になりやすい等→死亡リスクが上がる。)

 

定期的な歯科検診やクリーニング、ホームケアで、一本でも多くのご自身の歯を守ることが、健康寿命を延ばすことにつながります。

 


 

オーラルフレイル対策は幼少期からはじまる?

 

オーラルフレイル対策は、あらゆることを身につける幼少期から始めることが望まれます。中でも「呼吸」、「睡眠」、「食事」は重要です。正常な鼻呼吸、良質な睡眠、適切な食事による十分な栄養摂取は、お口周りの正常な発達に直結しています。

 

お口周りの発達をうながすためには、

・しっかり咀嚼することが必要な食事指導(メニューや咀嚼回数などの指導を受ける)
・食べトレ体操(お口周りや首などの簡単な体操により食事で使う筋力の衰えを改善する方法)
・口腔筋機能療法(舌や唇などお口周り筋肉のバランスを整えるトレーニングで略称:MFT)

 

子供の頃から、虫歯や歯周病の予防だけでなく、歯並びや噛み合わせの改善を行うこともオーラルフレイルの予防につながります。

 


 

オーラルフレイル予防と食事

 

オーラルフレイルや加齢による筋肉量の減少(サルコペニア)の予防には、たんぱく質を多く含む肉類魚類豆類乳製品などの摂取が大切です。

サルコペニアの予防としては、運動療法食事サプリメントからのたんぱく質(特に必須アミノ酸)補充などが効果的です。

低栄養の状態は、オーラルフレイルを招き、サルコペニアに至ることは明らかであると言われています。また、摂食嚥下障害をはじめとする口腔機能低下は、低栄養を招き、オーラルフレイルに関わっているとされています。

 

口のまわりのささいな衰えを見逃さず、いつまでも食事を楽しめる口を維持する事がオーラルフレイルの予防になりますので、定期的な歯科受診が、とても重要です。

 

三重県四日市市いみ歯科 歯科医師 敦司


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当院における感染対策の追加についてのお知らせ

2020年10月19日 (月)

現在新型コロナ感染症への感染対策として、通常の問診票に加えて、診療当日問診票をその都度お願いしております。

患者様には、毎回の記入でお手間をおかけいたしますが、より安全な診療を行うためでございますので、ご協力をお願いいたします。

問診票の中の項目には、ご本人やご家族の新型コロナへの感染既往を伺う項目がございますが、記載内容によって、患者様をやみくもに拒否したり、プライバシーを侵害したりすることは決してございません。当院のスタッフは新型コロナ感染症についても、正しい知識を身につけ、日々学んで、患者様と接しております。毎回正しく記入していただくことが、安全な診療体制につながりますので、正確な記載をお願いします。

 

また、受診の際にマスクの着用をお願いしております。しかし、感覚過敏等の理由でマスクを着用できない方がお見えになることを、当院では理解しております。もし、マスクの着用が難しい場合は、お車での待機やスムーズな対応が可能なよう検討いたしますので、ぜひお気軽にお申し出ください。

 

また、患者様により安心して来院していただけるように、待合室にパーテーションを設置いたしました。診察の前後のお時間も接触の機会を最小限にして、安心してお待ちいただければと思います。

 

 

今後もさらに安心して来院していただけるよう尽力いたします。

 

 


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むし歯の痛みの特徴

2020年10月6日 (火)

 むし歯を経験された方であれば、冷たいものや甘いものがしみたり、むし歯が進行して、何もしていなくてもズキズキと痛むといったことがあるのではないでしょうか。

 前回の「むし歯を放置すると」の内容でもお伝えしたのですが、むし歯の進行具合によって特徴的な痛みがあります。

 痛みの特徴だけでなく、どうやってむし歯ができるのか原因も含めてみていきます。

 

①むし歯の原因

 むし歯とは、むし歯の原因となる細菌(ミュータンス菌など)が作り出した酸によって歯が溶けた状態のことをいいます。このむし歯の細菌は塊となり歯の表面に付着し、これをプラークと言います。

 

 しかし、むし歯の原因は、①細菌だけでなく、②糖分③歯の質④時間など様々な要因が関係してきます。

 

 

 

細菌

プラーク(歯垢)の中に存在し、糖質をエネルギー源として酸を作り出します。この酸が歯を溶かす直接的な原因になります。

 

糖分

特に砂糖(ショ糖)がむし歯の発生に深く関わっています。プラーク(歯垢)が歯を溶かす酸を作り出すことを促します。お水やお茶以外の飲食物には、ほぼ糖分が含まれているので、飲食をしたら酸が作られると考えてください。

 

歯の質

歯が溶け出すことに対する抵抗力歯の形や歯並び唾液の量などがむし歯のなりやすさに関係しています。

 

時間

むし歯が発生するのには、時間も必要であり、プラークが作られる時間、お口の中に糖分が残っている時間が関係します。

 

②むし歯の痛みの特徴

歯において痛みを感じるところは、最も表面のエナメル質の内側にある象牙質、その内側の歯髄(歯の神経)です。

 

 

 

1.象牙質の痛みについて

 外からの刺激により、2〜3秒以内の鋭い痛みを感じます。外からの刺激には、化学的刺激と機械的刺激の2種類があります。

 化学的刺激とは、食べ物や飲み物の温度による熱刺激、冷刺激。また甘い、酸っぱいといったものも含まれます。

 機械的刺激とは、食べ物が挟まって圧迫されたことで起きる刺激のことをいいます。

 この痛みは、痛みの場所を特定するのは難しく、原因の歯の前後左右2〜3本の範囲を間違えて感じることがあります。

 

象牙質のむし歯の治療

むし歯の部分を取り除き、代わりになるものを詰めます。また、むし歯の大きさにより詰め物の種類が変わってきます。

 

 

むし歯が小さい場合

 

 

麻酔をして、むし歯を全て取り除き、白い樹脂の材料で埋める治療を行います。

 

 

むし歯が大きい場合

麻酔をし、むし歯を取り除き、詰め物もしくは被せ物を作るために歯の形を整えます。その後、型取りをして、次回出来上がった補綴物をセメントでつけます。

 

 

2.歯髄(歯の神経)の痛みについて

 むし歯が歯の神経にまで達すると、何もしていなくてもズキズキとした強烈な痛みを生じ、温かい食べ物や、夜間、入浴時に痛みが増悪し、痛みは、数十分から数時間続きます。また、この痛みも部位を特定するのは難しいといわれています。

 

 この状態を放っておくと、神経が死んでしまい、歯の根っこの先に膿がたまり歯茎や顔が大きく腫れることがあります。

 

 

歯髄(神経)の痛みの治療

麻酔をして根っこの治療(根管治療)が必要です。根管内の細菌を除去し綺麗な状態にしてから、神経に代わるお薬を入れ、最終的に被せ物または、詰め物を行います。

 

むし歯は、小さければ症状はありませんが、そのまま放っておくと痛み止めが効かなくなるほどの激痛に見舞われることがあります。一方、冷たいものや歯磨きの時にしみるといった症状があっても、むし歯ではなく知覚過敏かもしれません。

むし歯になってしまった場合、早期発見と適切な治療が、その後の予後に大きく関わってきます。なにか不安を感じられたらいつでもご相談ください。

 

三重県四日市市いみ歯科 歯科医師 敦司


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スタッフ全員笑顔で「おもてなし」安心して通える四日市の歯科医院を目指して

四日市の歯医者・にいみ歯科医院では、『歯科を通じて皆様のお口の健康をサポートする』という理念のもと日々診療を行っております。そして、四日市の当歯医者にいらっしゃる患者様が、歯医者の診療に対して「怖い」「不安」という気持ちをできるだけ抱かず、安心して診療を受けていただけるよう、スタッフ一同おもてなしの気持ちで診療をさせていただきます。

設備面でも、患者様にリラックスしていただけるよう、ゆったりとした待合室や診療室を設けております。さらに四日市にある当歯医者では、診療方針を患者様にもきちんと納得していただいてから患者様お一人おひとりに合わせた診療を行っていきたいと考えています。

ですので、四日市にお住まいの患者様が診療についてわからないこと・疑問に思うことを、お気軽にスタッフに聞くことができる雰囲気づくりということも大切にしています。四日市の歯医者・にいみ歯科医院にご来院された患者様が、いつまでも楽しく食事ができ、笑顔で健やかな人生を過ごしていただけることを願っています。

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