2021年2月10日 (水)
みなさん、今まで冷たいものや熱いものを食べて歯が痛い、もしくは歯茎が腫れて痛いと感じたことがあるのではないでしょうか。気になって歯医者に行った方もいれば、一時的な痛みだったのでそのままにしている方もいらっしゃるかもしれません。では、この歯や歯茎の痛みの原因は一体どういったものなのか、詳しく見ていきましょう。
<歯が痛い場合>
①虫歯によるもの(詳細は2020年10月6日掲載のブログに記載あり)
虫歯の深さによって痛みの種類が変わってきます。歯において痛みを感じるところは、最も表面のエナメル質の内側にある象牙質、その内側の歯髄(歯の神経)です。
・象牙質の痛み
外からの刺激(化学的刺激と機械的刺激)により、2〜3秒以内の鋭い痛みを感じます。外からの刺激(化学的刺激と機械的刺激)により、2〜3秒以内の鋭い痛みを感じます。
・歯髄(歯の神経)の痛み
むし歯が歯の神経にまで達すると、何もしていなくてもズキズキとした強烈な痛みを生じ、温かい食べ物や、夜間、入浴時に痛みが増悪し、痛みは、数十分から数時間続きます。ひどい場合は、痛み止めも効かず、一睡もできないということもあります。
・根っこの先の痛み
根っこの先の痛み神経が死んでしまい、歯の根っこの先に膿がたまり、噛んだら痛い、ものが当たると痛いといった症状が現れます
②知覚過敏によるもの
歯茎が下がったり、歯の表面のエナメル質が削れることにより、歯の根元の部分(象牙質)が露出し、むし歯や歯の神経に炎症がないにもかかわらず、冷たいものがしみたり、歯ブラシが当たったりすることにより痛みを生じることがあります。(知覚過敏)原因として、歯周病、歯ぎしり、歯茎の後退、歯ブラシの使い方がよくないなどが挙げられます。
③ブラキシズムによるもの
ブラキシズムとは、無意識のうちに行っている歯ぎしり、食いしばりなどです。これらにより、歯に負担がかかり、痛みを感じることがあります。
<ブラキシズムの種類>
グラインディング
一般的にいう歯ぎしり。歯を左右にすり合わせ、ギリギリと言う音を生じる。寝ている時に起こしやすい。
クレンチング
上下の歯の食いしばり、噛みしめ。寝ている時も起きている時も起こるが、本人では気づかないことが多い。
タッピング
上下の歯をぶつけあってカチカチと鳴らすような音を出すタイプの歯ぎしり。
<歯茎が痛い場合>
①歯肉縁、歯周炎によるもの
歯肉炎:歯周ポケットに歯垢(細菌の塊)が蓄積し、細菌が増殖することで歯茎に炎症が生じる病気。歯茎の腫れや出血を伴うことがあります。
歯周炎:歯肉炎が進行して歯周ポケットが深くなり、歯を支えている骨まで炎症が広がる病気。これにより、骨が溶けて歯がグラグラになり、歯茎が腫れ、膿が出ることもあります。CMなどでよく聞く、歯槽膿漏とは、このような状態を言います。
歯周炎により骨が溶けて歯茎が腫れている様子
②親知らずの周囲の歯茎の腫れ(智歯周囲炎)
親知らずが斜めに生えていたり横に向いて生えていたりする場合、清掃しづらく、細菌が蓄積され、増殖し、歯茎が腫れてしまうことがあります。腫れて自発痛があったり、噛むことで腫れた部分に歯が当たって痛いなどの症状があります。ひどい場合、腫れは喉の方まで広がり、呼吸困難を招くこともあります。
③根っこの先に膿が溜まっている時、根っこが割れている時
歯の根の中に細菌が入り込んだ場合、根っこの先に膿がたまり、歯茎が腫れます。膿を出すことによって、腫れが引くこともありますが、なかなか引かず腫れが大きくなることもあります。歯の根っこが割れた場合、噛むと痛みが出たり、神経が生きているとズキズキと痛みます。また、割れているところから細菌が入り歯茎が腫れたり、膿が出るといった症状も出てきます。
④歯茎の腫瘍
あまり頻度として多くはありませんが、歯茎の腫瘍が原因となることが稀にあります。早期の段階では、一般的に自覚症状はないのですが、進行してくると歯茎の腫れや痛みを生じます。
<まとめ>
このように歯や歯茎の痛みには、様々な原因があることをわかっていただけたでしょうか。歯や歯茎の痛みは、治療が必要なサインかもしれません。すぐに治療すれば残せた歯も、歯科医院への受診が遅れて状態が悪化し、最悪の場合抜歯になる可能性もあります。違和感を感じたら、適切な診断処置を受けるため、早めにご相談ください。
三重県 四日市市 にいみ歯科医院 歯科医師 新美敦司
カテゴリー: ブログ
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